・・・日本で国際的というとき、何よりつよい感情は世界の仲間入りという感情である。この感情が普遍的だということは、ラジオが一九四七年度のハイライトで水泳の古橋選手を紹介するとき、アナウンサーは古橋選手のレコードで日本もやっと国際的な一つの窓をあけら・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・ 卑怯な、卑劣な弱い者酷めが、公然と行われているのに、自分はどうして、平気でその仲間入りをしていたのだろう。 彼等も人であり、自分も人であるのに、一方が一方を虐げるのが、どうして正しいことだといえよう。 彼女は、忘られない印象を・・・ 宮本百合子 「地は饒なり」
・・・或は又、父自身が帰って来て、その辺につみ重ねてある不用の来信を整理するとき、例の調子で自分から破って淘汰の仲間入りをさせてしまったこともあったでしょう。 今日、私共にとって纏った記念としてのこっているのは、明治三十七年一月から明治四十年・・・ 宮本百合子 「中條精一郎の「家信抄」まえがきおよび註」
・・・ 何でもない人だったんだけれ共後れ毛をかきあげた小指の変な細さが目について忘られない人の仲間入りしたんですよ、 十七位の娘でしたけど。 そうして思い出す時には一番始めに前髪の処にあがった小指から頸から前髪から眼と云う順でしたよ、・・・ 宮本百合子 「千世子(三)」
・・・ 何とか彼とか理窟をつけて、溜めたくないようなふりをしている者のお仲間入りをしていられるものか。何と云われたってかまわずドシドシ溜れば、それでいいのだ。ああそれでいいのだとも……。 どんな僅かの機会でも、決して見逃すことのない彼女は・・・ 宮本百合子 「禰宜様宮田」
・・・なるほど アメリカへ行けばまことに正しい合理的この上ない仲間入りは出来るだろう。しかしそいつらには品がなくてしょっちゅうドルのことしか頭にないのだ〔欄外に〕スタンダールのアメリカ「赤と黒」「選挙のために靴やにつべこべするアメ・・・ 宮本百合子 「「緑の騎士」ノート」
出典:青空文庫