・・・これまでの日本の映画音楽がよくなかったので、この二つには特に新進の作曲家たちの労作を得た。「所期の成果をおさめて居りますかどうかは、専門家の方々の御意見と海外の観衆の批判にまたなければならないところであります」そういう意味の言葉であった・・・ 宮本百合子 「実感への求め」
・・・古い天皇制的な祝日が民主的な人民の祝日にかわろうとしている時、メーデーの歌が素朴な明るいメロディーをもって、人に知られない着実な生活をいとなんでいる主婦の一人である坂井照子さんによって作曲されたことも忘れられません。あの「町から村から工場か・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
・・・オペレットの音楽が極く大衆的な、単純で可愛いい要素で作曲されているので、若い連中は見ている間に歌を覚え、早速その合唱という訳だ。農村の集団化を扱ったドラマでは中農の息子と貧農の息子との階級的対立が、大きい社会的背景の前に非常によく写されてい・・・ 宮本百合子 「ソヴェト「劇場労働青年」」
・・・伴奏は特別作曲された音楽だったし。 帝国主義と植民地とがどういう関係におかれているかということの真実が堂々としたプドフキンの芸術的手腕で把握されていた。 ところがね、面白いことには、それから数ヵ月経ってパリへ行ったら、シャンゼリ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・それは全然専門的なもので、毎年専門技術家を卒業させて、新しい演奏家、作曲家がどんどん出て来る。 ソヴェトでは昨今音楽でも一般的なプロレタリアートの精神を現した音楽と同時に、ロシア民族というものの有っている特徴を音楽の中に生かすことを問題・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・音楽といっても第一位が声楽家たちであり、楽器の演奏家たちがそれにつづいているのであって、ヨーロッパの音楽史はあれほど幾多の卓抜なプリマドンナの名を記しながら、婦人の作曲家というものはほとんど一人もその頁のなかに止めていない。婦人指揮者という・・・ 宮本百合子 「婦人の文化的な創造力」
出典:青空文庫