・・・ 絞罪より、斬首より、その極刑をお撰びなさるが宜しい。 途中、田畝道で自殺をしますまでも、私は、しかしながらお従い申さねばなりますまい。 あるいは、革鞄をお切りなさるか、お裂きになるか。…… すべて、いささかも御斟酌に及びま・・・ 泉鏡花 「革鞄の怪」
・・・フランス革命の立者であるロベスピエールもダントンもエベールも、斬首台にのぼったときは、いずれも三十五、六であったと記憶する。 そして、この働きざかりのときにおいて、あるいは人道のために、あるいは事業のために、あるいは恋愛のために、あるい・・・ 幸徳秋水 「死刑の前」
・・・士に待たねばならぬ、古来の革命は常に青年の手に依って成されたのである、維新の革命に参加して最も力ありし人々は、当時皆な二十代より三十代であった、仏国革命の立者たるロベスピエールもダントンもエベールも、斬首台に上った時は孰れも三十五六であった・・・ 幸徳秋水 「死生」
出典:青空文庫