-
・・・そこでは歴史の或る時代の或る種の女の動きが、劇画化されて描かれた。題が同じだということばかりでなく、この「麦死なず」の詩に女の真情的なもので同じ現象が見られていると思う。女にはしかしその時期の間に少くとも年輪は一個ふえた・・・
宮本百合子
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」
-
・・・いい加減の訳をよまされた上、景品として世界的現実の劇画まで与えられることは、私たちとして辞退したく思うのである。 体位の向上がひろく云われている以上、精神の体位を向上させることも、現代の任務の一つな筈である。 そんなことを考えていた・・・
宮本百合子
「翻訳の価値」