・・・』 そもそも北京郊外万寿山々麓の昆明湖、その湖の西北隅、意外や竜が現われた。とし古く住む竜にして、というのは嘘。 おじさんが、いま牢へはいっているんだったら、いいな。そうすると私は、毎日、大得意で、ニュウスをお送りできるのだけれ・・・ 太宰治 「俗天使」
いよいよきたる十二月十日から一週間北京でアジア婦人大会がひらかれます。そして日本からもそこに出席するために代表がえらばれました。これは現代の人類の歴史にとって深い深い意味をもつ新事実です。 世界地図をひらいて、アジアを・・・ 宮本百合子 「新しいアジアのために」
・・・ 一九四九年九月二十一日から十日間、北京で開催された人民政治協商会議第一回全体会議の第一日に行われたあなたの演説が、日本で読まれています。「いまやこの国には活気があふれている。中国人民は、前進しており、革命の気にあふれている。これは・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・一九四九年十二月に北京でひらかれたアジア婦人会議は、国際民主婦人連盟第二回大会で決定されたのだった。 日本でも戦後ふたたび婦人デーが行われるようになったけれども、それについて、わたしたちは奇妙な経験をしている。一九四六年の婦人デーは、世・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
・・・十二月には新しい中華人民共和国の北京で、アジアの平和のために婦人大会がもたれ、そこへ日本からの代表もゆこう。 村松章子さんの「黙殺された女達」、高橋春子さんの「コスモスの花にゆれる秋」、矢倉ふき代さんの「夫は星をほしがらなかった」の三つ・・・ 宮本百合子 「「未亡人の手記」選後評」
・・・奈良。北京。徐州。洛陽。(ここで彼は東洋人になる。東京の裏街で昔の江戸の匂いを嗅これらの郷土の風景と住民と芸術との一切が、ここにはあたかも交響楽に取り入れられた数知れぬ音のようにおのおのその所を得、おのおのその微妙な響きを立てているのである・・・ 和辻哲郎 「享楽人」
出典:青空文庫