・・・文人が公民権が無くとも、代議士は愚か区会議員の選挙権が無くとも、社会的には公人と看做されないで親族の寄合いに一人前の待遇を受けなくとも文人自身からして不思議と思わなかった。寧ろ文人としては社会から無能者扱いを受けるのを当然の事として、残念と・・・ 内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
・・・ある区会議員の選挙演説では、当区内の浴場をぜひよく致しますといわれました。こういう選挙演説がアッピールするのは、みんなの要求がそこにあるということの明瞭なしるしです。風呂について、わたしたちの感情は所有慾から利用の慾望に発展して来ているので・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・ 明治十三年に神田の区会に婦人傍聴者が現れたということが神崎清氏の婦人年鑑にあって、それから明治二十三年集会結社法で婦人の政談傍聴禁止がしかれるまで、成田梅子、村上半子、景山英子らの活溌な動きがあったのだが、岸田俊子にしろ当時の自由党員・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
出典:青空文庫