・・・そしてこの言葉は、本がびっくりするほど売れるという事実と、それだもんだから本当にひどい本まで出ているという事実を意味していて、文学に連関する現象として云えば、小説の単行本の出版される数の夥しきにつれて文学の質の問題が逆の方から問題になって来・・・ 宮本百合子 「日本文化のために」
・・・女子大は一学期でやめていた。一九一七年「日は輝けり」「三郎爺」「地は饒なり」「一つの芽生」単行本『貧しき人々の群』が玄文社から出版された。一九一八年単行本『一つの芽生』が新進作家叢書の一部とし・・・ 宮本百合子 「年譜」
長篇「伸子」を書いたのは今から十年ばかり前のことで、完成までに三年位の時間がかかりました。『改造』へ一年に四度位の割で四五十枚から二百枚位まで時々載せてゆき、単行本にする時に全篇すっかり手を入れて大部ちぢめました。 当・・・ 宮本百合子 「「伸子」について」
出典:青空文庫