・・・ 今度改めて単行本として完成された「囚われた大地」を読み、私は作者の努力をやぶさかならず買うと同時に、種々の感想にうたれた。 作者は、一通りこれを書き終った今日、最初の着実な計画、農民の生活を描くという重大な目的にふりかえって、どの・・・ 宮本百合子 「作家への課題」
「禰宜様宮田」が、いつか単行本になる時があったら、是非云い添えたいと思っていたことを書きます。 あれは、そんなに大して大きなものでもなかったのに、非常に沢山の欠点を持っています。其等の欠点に対しての自分は、真個に何処まで・・・ 宮本百合子 「沁々した愛情と感謝と」
・・・女子大は一学期でやめていた。一九一七年「日は輝けり」「三郎爺」「地は饒なり」「一つの芽生」単行本『貧しき人々の群』が玄文社から出版された。一九一八年単行本『一つの芽生』が新進作家叢書の一部とし・・・ 宮本百合子 「年譜」
長篇「伸子」を書いたのは今から十年ばかり前のことで、完成までに三年位の時間がかかりました。『改造』へ一年に四度位の割で四五十枚から二百枚位まで時々載せてゆき、単行本にする時に全篇すっかり手を入れて大部ちぢめました。 当・・・ 宮本百合子 「「伸子」について」
・・・一九〇九年までには単行本が六冊、その後一九一三年までには単行本が十冊、雑誌の論文が十篇に達している。戦争が始まってから後にも『キルケゴオルとニイチェ』という本が出たそうである。 キェルケゴオルはその誠実な人格的生活、真生活築造の情熱、及・・・ 和辻哲郎 「「ゼエレン・キェルケゴオル」序」
出典:青空文庫