・・・小島烏水氏はたしか米国におられたので、日本では宮武外骨氏を以てこの道の先知者となすべきであろう。東京市中の古本屋が聯合して即売会を開催したのも、たしか、明治四十二、三年の頃からであろう。 大正三、四年の頃に至って、わたくしは『日和下駄』・・・ 永井荷風 「正宗谷崎両氏の批評に答う」
・・・ 二十九日 午前中に、宮武が来る。原稿のこと、並、坪内ホームスのこと。五月四日の夜、Sunday――Aと Brick Church に行き、カーネギー夫人に会いかえりに Fifth ave を歩いて、Maison Facile で・・・ 宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
・・・、浪漫主義時代の作家によってかかれた反戦的な作品は、ここに見当らない。しかし、われわれがこんにちと明日の日本の文学を真すぐにのばしてゆくためには、小田切秀雄著「発禁作品集」、宮武外骨の「筆禍史」をも十分研究した文学史が必要である。写実主義時・・・ 宮本百合子 「「現代日本小説大系」刊行委員会への希望」
出典:青空文庫