・・・ 自由 進歩 社会 協同 共産 諸派 無所属社長重役 五七名 二九名 六名 三名 ― 一三名 一〇名弁護士 一七名 九名 一九名 ― ― 一名 三名会社員 三名 三名 ・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・ こういう特色をもった十九世紀初頭のライン州、トリエルの市にハインリッヒ・マルクスという上告裁判所付弁護士が住んでいた。そこに、一八一八年五月五日、一人の骨組のしっかりした男の子が産れ、カールと名付けられた。 マルクス家はユダヤ系で・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
・・・さしいれのこと、弁護士のこと、毛糸であんだ足袋のこと、いろいろ承知いたしました。お弁当のこと、弁護士のことは、大体私もそのように考えて居りましたから御安心下さい。籍のこと[自注5]ももう余程前からの話なのですが、やっと今度お話になられ、私も・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・二日にお話のあった事については島田へ申上げて伺いましたから御安心下さい。弁護士の事も心当りを調べましょう。弁護士については御意見を直接におきき出来て大変よかったと思います。信吉叔父上は少し考えちがいをして私にお話しになっていました。 二・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ 知人のある弁護士は娘さん二人をもっていて、恐らくは種々に考え観察された結果だろう。二人とも廃嫡して結婚させた。その通知には、本人の幸福のため廃嫡して結婚致させたるものに御座候という文面が添えがきされていた。 慈悲ある親は、戸主にな・・・ 宮本百合子 「今日の耳目」
・・・ 税務署では、弁護士や医師と文筆家を並べて一つカテゴリーに入れている。自分のもとでで儲ける者としこの区分に入れている。作家はおとなしくその類別に従って来た。けれども、少し考えると妙だと思える。 作家は、大部分が出版企業に結びつけられ・・・ 宮本百合子 「作家への新風」
・・・ 離婚訴訟には、婦人の弁護士がつきます。そして、大抵の場合に婦人が勝訴になります。時には、良人が何等の悪意も蛮行もない場合に於てさえ婦人は訴訟して、勝つ事がございます。 其は何故でございましょう。何故そう云う恐るべき冒涜が人間の魂に・・・ 宮本百合子 「C先生への手紙」
・・・と発言して、布施弁護士によってその要求を具体化した被告飯田七三、もと三鷹電車区検査係、同分会執行委員長は、午後の法廷でさらに発言を求めて次の様に述べた。「最初申しあげた通りこの事件がいわゆる普通の刑事事件と違うということをもっとも端的にあら・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・そういう気質はいかにも設計家にふさわしい特徴をもっていて、西洋の諺に弁護士と作家と建築家の妻にはなるな、とある、そういう几帳面さを、一面にもっていました。 仕事は事務所で、というのが終生の暮しかたでした。事務所では忙しがっているからとい・・・ 宮本百合子 「父の手帳」
・・・新聞のつたえるところによると青柳弁護士が、あのさわぎを誘発したのは丸の内警察署の誰某と名前をあげて弁論している。ひとを一定の罪にひっかけるために挑発し、行動したものは、それが権力の使用人であれば罪はないというものだろうか。罪の原因をうみ出し・・・ 宮本百合子 「動物愛護デー」
出典:青空文庫