弓矢取る身
武人である身。武士。「男子ならば忠盛が子にして—にしたてよ」〈平家・六〉
ゆみやがみ【弓矢神】
弓矢のことをつかさどる神。武道の神。軍神 (いくさがみ) 。「—に捨てられし親の罰」〈浄・島原蛙合戦〉
ゆみやしんとう【弓矢神道】
吉田神道の一派。江戸時代、寛文・延宝(1661〜1681)のころ、肥前平戸の人、橘三喜 (たちばなみつよし) が駿河の浅間神社の神主宮内昌与より神道を受け、のち江戸で唱えはじめたもの。鎌を神体とし、安産・巡行などの行事を勤めるのを特色とする。
ゆみやだい【弓矢台】
「調度懸 (ちょうどが) け3」に同じ。
ゆみやとり【弓矢取り】
弓矢を手にとって用いること。また、その人。武士。弓取り。
ゆみやのいえ【弓矢の家】
代々、弓矢の道にたずさわる家。武家。武門。「—に生まれ、名をこの門葉に懸けながら」〈太平記・一〇〉
ゆみやのちょうじゃ【弓矢の長者】
弓術に長じた人。また、弓矢の家の長たる人。武家の棟梁 (とうりょう) 。「将軍と申すは—にて」〈太平記・二七〉
ゆみやのみち【弓矢の道】
1 弓を射るわざ。弓術。 2 弓矢に関する道義。武道。また武士道。「—、死を軽んじて名を重んずるを以て義とせり」〈太平記・一〇〉
ゆみやのみょうが【弓矢の冥加】
1 弓矢に対する神仏の加護。「—あるべくば、扇を座席に定めて給へ」〈盛衰記・四二〉 2 弓矢をとる身の果報。武士のしあわせ。「武運の花の開くる時節—にかなひしと」〈浄・用明天王〉
ゆみやはちまん【弓矢八幡】
[名]弓矢の神である八幡大菩薩 (だいぼさつ) 。武士が誓約するときの語。「—、氏の神も御照覧あれ」〈謡・檀風〉 [感] 1 《にかけて誓って、の意》神かけて。誓って。「—寝はせねど」〈松の葉・一〉 2 失敗したとき、残念に思うときなどに発する語。南無三宝。「—大事は今」〈浮・一代男・六〉