・・・弟は自分より七年後に、晩年の父が生ませた子である。元から余り気に入らない。なんだか病身らしくて、こわれもののような気がするので親み難い。それに感情が鋭敏過ぎて、気味の悪いような、自分と懸け離れているような所がある。それだから向うへ着いて幾日・・・ 著:リルケライネル・マリア 訳:森鴎外 「白」
・・・の地帯やその背後の緩衝地帯を突き抜けて、「いまだ触れられざる地」に達したとき、そこに彼らは至る処、十六世紀のカピタンたちが沿岸で見たと同じ華麗なものを見いだしたのである。 フロベニウスは一九〇六年、その第一回の探検旅行の際には、なお、コ・・・ 和辻哲郎 「アフリカの文化」
出典:青空文庫