・・・ ネフリュードフに悪態をつくところ、牢獄でウォツカをあおって売笑婦の自棄の姿を示すとき、山口淑子は、体の線も大きくなげ出して、所謂ヴァンパイアの型を演じる。けれども、最後の場面で、政治犯でシベリアに流刑される人々にまじったカチューシャが・・・ 宮本百合子 「復活」
・・・ 悪態、罵声、悪意が渦巻き、子供までその憎悪の中に生きた分け前を受ける苦しい毎日なのであるが、その裡で更にゴーリキイを立腹させたのは、土曜日毎に行われる祖父の子供等に対する仕置であった。鋭い緑色の目をした祖父は一つの行事として男の子達を・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・あらゆる悪態、罵声、悪意が渦巻くような苦しい毎日なのであるが、その裡でゴーリキイを更に立腹させたのは、土曜日毎に行われる祖父の子供らに対する仕置であった。祖父は一つの行事として男の子供らを裸にし、台所のベンチへうつ伏せに臥かせ、樺の鞭でその・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
出典:青空文庫