・・・ ソヴェト市民は一九一七年以来文盲撲滅を努力的に行って、もとはインド、中国と並んでいた文盲のロシア人民を、啓発してきた。本を読む人口は全人口の尨大な部分をしめている。これはシーモノフなどの文学作品の発行部数が数百万部というのでも想像され・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・最後にして最大の問題はこの社会的釜から体内に送られる不用なるバイキンを如何にして撲滅するかという点だ。 ○ 薄緑色の壁。紅いシクラメンの鉢の載って居る円卓子がある。窓枠が古いので一月の日光とともに室内を空気が・・・ 宮本百合子 「一九二九年一月――二月」
・・・ 五幕九場のこの喜劇は、ソヴェトが、五ヵ年計画のはじまり、実際大仕掛に官僚主義撲滅と、労働の規律のためにアルコーリズム反対をやった時代に「左翼戦線」の詩人マヤコフスキーによって書かれたものだ。 メイエルホリドは、彼の「再建設期のソヴ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・だからいろいろなクラブの研究会や、文盲撲滅研究会、実際に工場に於ける熟練工に自分をすること、そういうことは非常に熱心にやっている。で第一ソヴェトでは男も女も同じ労働に対して同じ賃銀を払う。同じ賃銀を払うということは同等の技術を要する。だから・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・ 革命前に於けるロシアの一般勤労婦人の状態は、目下の日本同然ひどいものでしたが、ソヴェト政府が樹立されてから、先ず生産において地位が向上し、徹底的に文盲撲滅運動がやられたので、間もなく、プロレタリア婦人の中からも続々と通信員が出、文学活・・・ 宮本百合子 「婦人作家の「不振」とその社会的原因」
・・・一つの村に赤旗が翻ると、もうそこには、村のクラブと文盲撲滅の学校が出来た。そこで機械がまわり、男女の労働者が働いている工場なら生産管理の工場委員会が男女労働者とその指導者によって組織されると同時に、文化部の活動がはじまった。「十月」以後・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ロシア、中国、朝鮮の人民が文盲撲滅の第一頁においてソヴェト権力、抗戦救国、民族独立の文字を知らされてゆくのとはひじょうにちがいます。イデオロギーのたたかいは、日本においてますます複雑な課題となりつつあります。すべての専門家は、単に、大衆の文・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・行為は勿論、思想まで、そう云う危険な事は十分撲滅しようとするが好い。しかしそんな奴の出て来たのを見て、天国を信ずる昔に戻そう、地球が動かずにいて、太陽が巡回していると思う昔に戻そうとしたって、それは不可能だ。そうするには大学も何も潰してしま・・・ 森鴎外 「かのように」
出典:青空文庫