・・・たちの生活のなかにとらえて来たときのことについても、縫針というものを発明したきっかけなどについても、極めて活々とした人間の実験の精神・偉大な創意の導きとしての日常のささやかな思いつき、精神のこまやかな敏活さなどが、大切に評価されて描かれてい・・・ 宮本百合子 「世代の価値」
・・・ ジャーナリズムは夥だしい功罪ともども読者を捕えてゆくのではあるが、そのためには読者の人間的社会的意欲の動向を敏活にとらえ反映して展開させなければジャーナリズムは実利上にも成立たない。ここに、現代ジャーナリズムに対する読者の声、要求の深・・・ 宮本百合子 「微妙な人間的交錯」
・・・この現象は、丁度彼がその前夜、彼自身の平民の腹の田虫をハプスブルグの娘に見せた失敗を、再び一時も早く取り返そうとしているかのように敏活であった。殊に彼はルイザを娶ってから彼に皇帝の重きを与えた彼の最も得意とする外征の手腕を、まだ一度も彼女に・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」
出典:青空文庫