昔取った杵柄
過去に鍛えた腕前。若いころに身につけた技能。「—で、泳ぎ方に無理がない」
昔の因果は皿の端を回る今の因果は針の先を回る
ずっと以前にしたことの報いはじっくりと時間をかけてやってくるが、たった今したばかりのことの報いはすぐに返ってくる。
昔の剣今の菜刀
若いころには有能であった人も、年をとると役に立たなくなることのたとえ。古いものは今の役には立たないことのたとえ。
昔は肩で風を切り今は歩くに息を切る
以前は威勢がよかったが、今はまったく衰えてしまっている。
昔は昔今は今
昔と今は違うのであるから、昔がこうだから、今もこうあるべきであるというようなことは成り立たない。
むかしいま【昔今】
昔と今。こんじゃく。「—の御物語に夜更け行く」〈源・朝顔〉
むかしえ【昔方】
《「え」は方の意》過去の方。昔。いにしえ。むかしべ。「—や今も恋ひしきほととぎすふるさとにしも鳴きて来つらむ」〈古今・夏〉
むかしえびと【昔方人】
「昔人 (むかしびと) 」に同じ。「ここに—の母、一日 (ひとひ) 、片時も忘れねば」〈土佐〉
むかしおとこ【昔男】
《伊勢物語の多くの段が「昔、男ありけり」で始まっているところから》在原業平 (ありわらのなりひら) をさす。「その業平は、その時だにも—といはれし身の」〈謡・井筒〉
むかしかたぎ【昔気質/昔堅気】
[名・形動]古くから伝わるものを頑固に守り通そうとする気風であること。また、そのさま。「—な(の)職人」