・・・産前二ヵ月、産後二ヵ月、有給休暇をとります。そして居住地域の産院、母子健康相談所が、若い母と子との健康のために助力します。これは、工場や官庁に働く婦人、女教師などに大体同じ事情です。婦人と職業、結婚、家庭生活の問題は、いまの日本ですべての若・・・ 宮本百合子 「生きるための協力者」
・・・勿論女も男と同じ労働に対しては同一の賃銀で、産前産後四ヵ月の有給休暇を貰う。無料の産院がある。そして、昔はブルジョアや貴族がもっていた別荘を、今は労働組合の「休養の家」として、そこへ休暇にゆく。「では、何故ソヴェト同盟において、労働者はかく・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・夏休み、勤労者が一ヵ月の有給休暇で「休みの家」へ行く時には、その附近に大抵図書館の出張所が出来る。 現にわたしがレーニングラード附近に一夏暮した時のことだ。昔の離宮が今は勤労者のための愉快な公園博物館として開放されている。景色のいい池の・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・出征兵士は欠勤とし軍隊の日給をさし引いた賃銀を支給すること、各駅にオゾン発生器をおくこと、宿直手当、便所設置その他を獲得し、婦人従業員の有給生理休暇要求は拒絶されて女子の賜暇を男子と同じによこせ、事務服の夏二枚冬一枚の支給、その他を貫徹した・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ 労働婦人はみんな四ヵ月の有給休暇をもらって、月給の半分の仕度金を貰って、そして無料産院で赤坊を生み、なお九ヵ月間牛乳代をもらう。それだけの設備と権利がある上で、避姙や人工早産がゆるされているのです。 温情主義で搾取して、慈善設備で・・・ 宮本百合子 「「市の無料産院」と「身の上相談」」
・・・その上教育中の息子と娘とは有給の専門教育をうけられます。これらのひとびとは国民健康保険、養老年金、傷害保険、その他一年、二ヵ月の休暇や、いろいろな条件をもっています。お母さんが病気をしたり姙娠した場合は、働いている人の妻であり、勤労者の妻で・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・ 学校ばかりか、すべての勤労者が、年に一ヵ月ずつ有給休暇をとって休みに行く「休みの家」でも、こういう工合にやられている。 夫婦は一室を貰い、学生でも夫婦ものは、事情の許すかぎり特別な一室を給与されるのだ。 ソヴェト同盟が、勝れた・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・たとえば、姙娠している労働婦人は出産前後四ヵ月の有給休暇を貰う。出産のための産院は無料だ。赤坊のキモノや何かのための支度金を二十五ルーブリから三十五ルーブリぐらいまで貰い、出産後九ヵ月間は特別に赤坊の哺育料を貰う。「母と子の相談所」と託児所・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・毎年一ヵ月勤労者は有給休暇をもらって元は大ブルジョアの別荘や離宮だった景色のいい「休みの家」へ行ける。 農村で、集団農場のクラブへさえ集まれば、モスクワからのラジオが聴ける。映画が見られる。診療所が出来た。学校が出来た。託児所と共同食堂・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
・・・ ところで、ソヴェトの労働者は、年一ヵ月の有給休暇を貰う。 有名な海岸、温泉場、山の避暑地に昔ブルジョアが建てた立派な別荘、宮殿がある。それが今は勤労者のための「休みの家」になっている。結核療養所になってるところもある。 各工場・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の夏休み」
出典:青空文庫