・・・それは、この地球上には世界に比類ない大きい規模で諸芸術を花咲かせ、作家の経済的安定の問題から、住居・健康のことまで具体的な考慮をはらい得る国家が現実に存在していること、そして、そこでは山本有三が松本前警保局長と対談したとは全く異った内容性質・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・懇話会の主宰者・元警保局長松本学氏談として、帝国芸術院が出来上って、政府もわれわれの考えるような文化への態度を明らかにして来たから、芸術院に具体的活動をさせるためにも懇話会は解散し、自分は新しく出来る文化中央連盟と林房雄君等の努力によって出・・・ 宮本百合子 「近頃の話題」
・・・ 皆さん新聞で御承知のことと思いますが、部落解放運動の長老として有名な代議士の松本治一郎氏が開院式のとき天皇に拝閲することを拒絶して問題になりました。なぜ松本氏が拒絶したかといえば「蟹の横這い」が厭だったというのです。天皇がまっすぐに向・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
・・・ 松本学氏によって「文芸懇話会」がつくられていた間、文芸懇話会賞というものが出されていた。この間この組織が実質に於てより大規模な上述の諸組織に発展的解消をするに当って、最後の賞を尾崎一雄氏、川端康成氏に与えた。この賞に当っても、嘗て会員・・・ 宮本百合子 「矛盾の一形態としての諸文化組織」
今私たちの前には、その事件が当事者の愛の純情に発しているという意味で人の心を打った二つの現象が示されている訳ですが、私は松本伝平氏の場合と弓子さんの場合とは、それぞれ別のもので、違った分析がされなければならないものではなか・・・ 宮本百合子 「私も一人の女として」
・・・見分が済んで、鵜殿吉之丞から西丸目附松本助之丞へ、酒井家留守居庄野慈父右衛門から酒井家目附へ、酒井家から用番大久保加賀守忠真へ届けた。 十五日卯の下刻に、水野采女の指図で、庄野へ九郎右衛門等三人を引き渡された。前晩酉の刻から、九郎右衛門・・・ 森鴎外 「護持院原の敵討」
出典:青空文庫