・・・またある時は、平生活人画以上の面白味は解せないくせに、歴代の名作のある画廊を経営していた。一体どうしてこんな事件に続々関係するかと云うに、それはこうである。墺匈国では高利貸しが厳禁せられている。犯すと重い刑に処せられる。そこで名義さえ附くと・・・ 著:ダビットヤーコプ・ユリウス 訳:森鴎外 「世界漫遊」
・・・実に美しい活人画がそれからそれと現われて来る。それがちょうど俳諧連句の句々の連珠のようなモンタージュによって次々に展開進行して行くのである。開巻第一に現われる風の草原の一シーンから実に世にも美しいものである。風にゆれる野の草がさながら炎のよ・・・ 寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
・・・ピオニェールの分列式。ピオニェールの活人画みたいな劇、移動劇団がやって来て大道具をつくって芝居する。キノがある――記念すべき一晩をゆっくり、集団的に、楽しみの裡に階級的意識を鼓舞されつつ過すのだ。 ――……ソヴェトの労働者たちが世界プロ・・・ 宮本百合子 「正月とソヴェト勤労婦人」
出典:青空文庫