・・・ 先ず火曜日は、先週の日曜の朝代えた下着や、敷布や襯衣その他の洗濯日、午後からは訪問と云う日割です。大きいものは一まとめに袋に入れて、朝来ることに定めてある洗濯屋に渡し、小さい手巾とか、婦人用の襟飾、絹のブラウズと云うようなものは、皆、・・・ 宮本百合子 「男女交際より家庭生活へ」
・・・ 三月の第一火曜日の午後、藍子は小日向町へ出かけて行った。尾世川が牛込の方から此方へ越して来てから、藍子も、同じ小石川の向う側の高台へ部屋を見つけたのであった。鼠坂を登って、右へ曲る。煙草屋の二階に尾世川は暮していた。「今日は」・・・ 宮本百合子 「帆」
・・・かれはその背後で彼らがこそこそ話をしているらしく感じた、 次の週の火曜日、ゴーデルヴィルの市場へとかれは勇み立って出かけた、かの一条を話したいばかりに。例のマランダンがその戸口に立っていてかれの通るのを見るや笑いだした。なぜだろう。・・・ 著:モーパッサン ギ・ド 訳:国木田独歩 「糸くず」
出典:青空文庫