・・・ 社会主義社会での文化の諸問題――わたしとしては文学を主に考えますが、現在のところ世界各国は、社会主義国の文化の画一性を批難することが好みにあっているようです。しかし、この問題もいろいろ興味があって、人類社会のプロセスの一つとして、ある・・・ 宮本百合子 「質問へのお答え」
・・・そして、ある場合には、婦人の真の政治的な成熟のために、いたずらに画一的な、便宜主義の、判断のない、投票の数をかき集め式な目的をもつ婦人の政治的参加に対しては、婦人自ら追随を拒む必要も生じるであろう。婦人はあくまで自分たちの日常の生活をみきわ・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・ 世の中の勢は益々画一へ向い、工場でも小さな工場は併呑されて消えて行っている一方で、人々の感情に郷土的な品物や極めて手工業的な製作品が新しい興味を呼びさまして来ている関係は、今日の日本の文化の心理として案外に微妙であり重大でもあるのでは・・・ 宮本百合子 「生活のなかにある美について」
出典:青空文庫