箱馬車(はこばしゃ)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・父は官を辞した後商となり、その年の春頃から上海の或会社の事務を監督しておられたので、埠頭に立っていた大勢の人に迎えられ、二頭立の箱馬車に乗った。母とわたくしも同じくこの馬車に乗ったが、東京で鉄道馬車の痩せた馬ばかり見馴れた眼には、革具の立派・・・
永井荷風
「十九の秋」
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・・・二頭立の箱馬車が電車を追抜けて行った。左側は車の窓から濠の景色が絵のように見える。石垣と松の繁りを頂いた高い土手が、出たり這入ったりして、その傾斜のやがて静かに水に接する処、日の光に照らされた岸の曲線は見渡すかぎり、驚くほど鮮かに強く引立っ・・・
永井荷風
「深川の唄」
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