蚊燻し(かいぶし)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・ 織次は、小児心にも朝から気になって、蚊帳の中でも髣髴と蚊燻しの煙が来るから、続けてその翌晩も聞きに行って、汚い弟子が古浴衣の膝切な奴を、胸の処でだらりとした拳固の矢蔵、片手をぬい、と出し、人の顋をしゃくうような手つきで、銭を強請る、爪・・・
泉鏡花
「国貞えがく」
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・・・「秋まで生き残されている蚊を哀蚊と言うのじゃ。蚊燻しは焚かぬもの。不憫の故にな」 ああ、一言一句そのまんま私は記憶して居ります。婆様は寝ながら滅入るような口調でそう語られ、そうそう、婆様は私を抱いてお寝になられるときには、きまって私・・・
太宰治
「葉」
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