・・・各芸術部門の独自性、その創造力の土台の社会的・科学的な研究というものは、この巨大な可能性を包蔵している骨組みの細部として、もっと学ばれ、科学的に整理された現実的資料として提供されなければならないのではなかろうか。 これまでも、たとえばプ・・・ 宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
・・・ 更に、著者はルネサンスという時代と人とに関して書かれている主要な著作を、社会・経済・文化の諸部門にわたってとりあげ、その正当な読みかた、学びかたについての指示まで与えている。著者が、心からのおくりものとして、人間の進歩の歴史を愛し知識・・・ 宮本百合子 「現代の心をこめて」
・・・新設される四十二の発電所は二百二十億キロワット時の電力を生産各部門に供給するだろう。大きな西日が鋤をひっぱる馬の背とケシの花とを越えて静かに彼方の地平線に沈もうとする曠野に、耕作機械トラクターが響き出す。うねくる個人耕作の細い畦が消えて、そ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・若い勤労婦人は最も危険・有害なあらゆる生産部門においてさえ活動しました。 しかも、日本の軍事的権力によって特別な保護をうけていた企業家たちは、生産の大半を婦人の労力によって行いながら、勤労婦人の福祉施設、母性保護設備、災害予防施設は行わ・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・文学座談会、文学講習会、文学サークル等の活動で、婦人委員会は作家同盟の各専門部門と緊密に結びつき、すべての機会を掴んで、組織的にプロレタリア文学活動へ職場の婦人大衆を導き出すための努力をやっている。 去る十二月の作家同盟拡大中央委員会で・・・ 宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
・・・乾物屋が店の玉子の値段がきに四十とだけ書き据えて、あとの何銭というところに紙をはりつけ次の変化にそなえている刻々の心理は、市民生活のあらゆる部門に亙って存在している。来年中等学校へ入る子供たちはどんな試験をうけることになるのだろうかと思って・・・ 宮本百合子 「今日の読者の性格」
・・・そして、それは千人針からはじまって、すでに特殊な生産部門に男と代って働く女の力、あるいは複雑な日本の経済条件の日々の負担者としての女の力が呼び出されているのである。 戦争やその雰囲気にヒロイックな色彩はつきもののように考えられている。銃・・・ 宮本百合子 「祭日ならざる日々」
・・・ソヴェトが一九一七年から十二年の星霜を経て、その深刻な根本的改変と建設との成果に立って、社会主義生産の段階に到達し、生産の全面と文化の全部門から利潤追求の企業性を排除しえたとき、国内的に勤労階級と有識人階級との対立、貧農と富農との対立が消え・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・ 索引や蔵書の或る部門の不備さ等は云わないでも、私には、あの雰囲気――役所くさい、うるおいのない調子だけで親しみ難かった。簡便に行わるべき書籍の出納場が、あんなに高い、絵にある閻魔の大机のようなのなどは寧ろ愉快な滑稽だ。閲覧室内を監督す・・・ 宮本百合子 「蠹魚」
・・・ ソヴェト同盟で、プロレタリア文学の創作方法におけるこの問題が起った社会的根拠は、第一次五ヵ年計画の成果によってプロレタリア文学運動の分野にあっても、他の生産部門においてと同様、多数の新しい労働者、集団農場員幹部をもつようになったこと、・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
出典:青空文庫