・・・ 三人は毎朝里村千代という若い娘が馭者をしている乗合馬車に乗って町の会社へ出掛けて夕方帰って来るが、その間小隊長は一人留守番をしなくてはならなかった。ある日、三人が帰ってみると、小隊長がいない。迷子になったのかと、三人のうちあわて者の照・・・ 織田作之助 「電報」
・・・当時、山川派としてのこったのが前田河広一郎、彼の代作者里村欣三・葉山嘉樹・岩藤雪夫等及び今度脱退した黒島伝次・平林たい・小堀甚二等だ。「国際局は戦争の危険に対してソヴェト同盟を××というスローガンの下に、すべての××的読者を糾合する大き・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・群司次郎正ははっきりと自身のペンが軍事御用ペンであることを昨今は証明しているし『文戦』の里村欣三が『改造』の特派員となって軍事記者を勤め「坂本少尉武勇伝」に就いて、どんな階級的批判をも加えず、書立てているのも社民・労農大衆党と等しく、民主主・・・ 宮本百合子 「ブルジョア作家のファッショ化に就て」
・・・ 黄色い特派員 ――里村欣三の満蒙通信―― 改造社が、里村欣三を満蒙特派員として派遣した。二月号『改造』に「戦乱の満蒙から」という通信をよみ、強く一つのことを感じた。それは、筆者里村欣・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
出典:青空文庫