釣(り)手/吊り手(つりて)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・そんな事で、却て岡村はどうしたろうとも思わないでいる所へ、蚊帳の釣手の鐶をちゃりちゃり音をさせ、岡村は細君を先きにして夜の物を運んで来た。予は身を起して之を戸口に迎え、「夜更にとんだ御厄介ですなア。君一向蚊は居らん様じゃないか。東京から・・・
伊藤左千夫
「浜菊」
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・・・他のものは態と太十を起して蚊帳の釣手を切って後から逃げるというのであった。太十は其夜喚んでも容易に返辞がなかった。それ故そういう悪戯さえしなかったならば翌日ただ太十の怒った顔を発見するに過ぎなかったのである。盗んだ西瓜は遙かに隔たった路傍の・・・
長塚節
「太十と其犬」
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