・・・ 開会がおくれて、すんだのは夜の十二時頃だった。一服しようと云うことになって、食堂へゾロゾロ下りた。――地下室なのだ。 ピリニャークが扉をあけて、サア、どうぞと云った。自分はその晩日本のキモノをきていた。だからみんなが見る。しかし、・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・の集会届けも余興の興行届けもちゃんと手続を経て受けつけ、許可しておきながら、いよいよその日になって開会の辞を中條百合子が一分ばかり話したら、中止! 解散を命ず! と襲って来た。中條百合子が「今日ここに集っていらっしゃるみなさんを見ても若い方・・・ 宮本百合子 「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」
・・・十一時ごろ控室まで入って、十一時半傍聴席へ入場して、開会は一時というのだから、この店も自然と繁昌する刻限である。地方から上京して来ている相当の年配の、村の有力者という風采の男が相当多い。背中に大きい縫紋のついた羽織に、うしろ下りの袴姿で、弁・・・ 宮本百合子 「待呆け議会風景」
出典:青空文庫