・・・べての青年の権利たる教育がその一部分――富有なる父兄をもった一部分だけの特権となり、さらにそれが無法なる試験制度のためにさらにまた約三分の一だけに限られている事実や、国民の最大多数の食事を制限している高率の租税の費途なども目撃している。およ・・・ 石川啄木 「時代閉塞の現状」
・・・営利出版は一巻の紙から最も高率な利潤を求め、必ずうれることを求める。その結果一番うれる最低の安全性としてエロティシズムに陥っている。これは出版関係の専門家の解剖である。『星』や『レーニングラード』は営利雑誌ではない。先ごろ来朝していた作・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・相も変らず紙屑のようなエログロ出版が横行していること、文学者に対する税がお話にならない高率で、殆ど収入の八五パーセントもとられること、その上政府は文化財である故人の著作権に対して勝手な収入予想をして税をかけようとしていること、それらはただ文・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・更に彼はこれらの先天的に犯罪型の頭蓋をもって生れ、何か犯罪をやって現に拘禁されている者の両親は、大抵揃っていず女親だけで、その女親も売笑婦が高率を占め、又その女たちはアルコール中毒にかかっているか、さもなければひどい酒呑みが多いと結論してい・・・ 宮本百合子 「花のたより」
・・・今日の日本では子持の街の女も、かなりの高率であるにちがいない。 結婚と、その分離である離婚が「人間の尊厳」のために男女の間に平等な人権であるならば、私たちは憲法にいわれているすべての人民は働くことが出来る、すべての人民は教育をうけること・・・ 宮本百合子 「離婚について」
出典:青空文庫