齧る/噛る(かぶる)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・それをがつがつと齧ると、ほんとうに胸が清々した。ほっとしたが、同時に夜が心配になりだした。夜になれば、また雨戸が閉って、あの重く濁った空気を一晩中吸わねばならぬのかと思うと、痩せた胸のあたりがなんとなく心細い。たまらなかった。 夜雨戸を・・・
織田作之助
「秋深き」
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・・・ 鼠がものを齧る音は聴くのはいやだ。ずっと先、上落合の方の家にたった一人で暮していたときは、鼠のあばれようがひどくて、天井の上で何か齧っている物音が、無人さに対して動物の悪意を示してさえいるようで、猛々しかった。一々その鼠を追っぱらって・・・
宮本百合子
「鼠と鳩麦」
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