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・・・だが、私は自分の指標とした感覚なるものについて今一度感覚入門的な独断論を課題としてここで埋草に代えておく。感覚と新感覚 これまで多くの人々は文学上に現れた感覚なるものについて様々な解釈を下して来た。しかしそれは間違いではない・・・
横光利一
「新感覚論」
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・・・ しかし立場を換えてこの画に対すると、非難はこれだけではすまない。なるほどこの画は清らかで美しい。けれどもそれはあまりに弱々しく、あまりに単純ではないか。我々はこういう甘い快さで、深い満足が得られるか。あのような題材からただあれだけの美・・・
和辻哲郎
「院展遠望」