・・・髪をきりっと布で包んだ婦人労働者も熱心に討論する。 農村でも、話はソヴェト選挙にあつまって、農村を、集団農場を本当にうまくやって行くにはどんな人間を選び出したらいいかと討論する。 村や町のソヴェトから、演説者が来て、どういう人を選ぶ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
・・・るためには先ず工場、農村でどんなに忍耐づよく毎日毎日を解放に向って働く大衆が闘っているか、その実際を目と耳とで身にしみて知り、それに対して自分はどんな手伝いが出来るか真面目に研究し同時に良人に向ってもきりっとして親切なプロレタリアの女らしい・・・ 宮本百合子 「「我らの誌上相談」」
・・・その体つきはきりっと締まって見えた。三年前の大患以後、病気つづきで、この年にも『行人』の執筆を一時中絶したほどであったが、一向病人らしくなく、むしろ精悍な体つきに見えた。どこにもすきのない感じであった。漱石の旧友が訪ねて行って、同じようにし・・・ 和辻哲郎 「漱石の人物」
出典:青空文庫