・・・ 更に、新聞も御用大新聞に整理することに成功し『くにのあゆみ』から『民主主義』読本を文部省が発行できるように日本の民主化が歪曲されて来るにつれて、吉田茂は、とうとう、日本人の大部分が満足していない国会を、外国の新聞がほめている、というよ・・・ 宮本百合子 「「委員会」のうつりかわり」
・・・子供たちに買ってやる絵本にもその五パーセントはついて来る。国会でも問題になったこのたちのわるい大衆課税は、政府としてやむをえないこととして押しきった。理由は天文学的数字の予算をまかなえないからであり、そのなかで小さくない部分を占めている終戦・・・ 宮本百合子 「偽りのない文化を」
・・・ 黒海は実に目醒めるばかり碧紺の海の色だのに、潮の匂いというものはちっともしないので、私は、あらこの海、香いのない花! と云ったことを覚えて居ります。日本の海はそういう点だけから見ればやはり相当ようございますね。 湯ざめがして来てさ・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・とくに本年度の悪質大衆課税として批難をうけながらついに国会を通過した物品取引税は、総額二七〇億円の収入を予定されていて、この取引税が時計の修繕にも靴の底なおしにも、映画や芝居をみるときにさえも消費者の負担となってくる。各取引ごとに一パーセン・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・ 周知の如く近代国家としての日本は独特な発展の過程をとり所謂開化期の文化の自由民権的傾向というものは明治二十三年国会が開かれると同時に一種の反動期に入り、今日とはその質を異にするが、官僚「官員さん」の横行時代を現出した。日清、日露の両戦・・・ 宮本百合子 「今日の文学の鳥瞰図」
・・・ロシアのように広大な国土のところでは、一口にロシアの詩人、作家といっても、黒海沿岸、南露の詩人の気質・表現と、半年雪に埋もれ原始密林を眺めているシベリア地方生れの詩人、作家の気質・表現とは、その扱う題材がちがうように、著しい相異がある。・・・ 宮本百合子 「自然描写における社会性について」
・・・で第一、警察官の民主化の実行、第二、地方刑罰条例の濫発への警告――売春等取締条例・公安条例など「国会で決定せず、地方自治体できめしかもムヤミにつくりたがる傾向」を批判していた。一九四八年に人権擁護委員会が置かれてから取扱った件数八八一七件。・・・ 宮本百合子 「修身」
・・・ 一九三三年二月二十七日、政権をとって一ヵ月のナチスがゲーリングを先頭にしてドイツ国会放火事件を仕組んだ。放火人ファン・デア・ルッベは共産党員と自白し、後生大事に党員証を身体につけていた。しかし裁判で、ルッベがナチスのまわしものとしての・・・ 宮本百合子 「「推理小説」」
・・・追放を考えても すべて 人権蹂躙、読売は 地方刑罰条令が「国会を通らずに地方自治体できめて、それをムヤミにつくることを非難している。一、今案条例一、売春婦取しまり条例 一般の婦人のこまること、 これ・・・ 宮本百合子 「東大での話の原稿」
・・・我々は外から協力する、同時に国会も十分これに力を貸してほしい。〔一九四八年四月〕 宮本百合子 「東宝争議について」
出典:青空文庫