・・・「蟹工船」「不在地主」「工場細胞」「オルグ」「沼尻村」その他最近の「党生活者」「地区の人々」に至るまで精力的に発表された諸作品は、どれをとっても、それぞれの時期におけるプロレタリアートの課題を自身の課題として反映したものであり、何かの意味で・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・「レーニン主義共産青年同盟」「地区委員会」「全同盟共産党・ボルシェビキ」とそれぞれ高く入口に札をかかげた部屋部屋だ。その先に図書室がつづいている。ドミトロフ君が静にドアをあけたところから内部を見ると、中央の大テーブルをかこんでいろいろの雑誌・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・東京で麹町と江東地区との生活にちがいがあるとおりである。 一九一〇年といえば、日本の明治四十三年、いわゆる「大逆事件」で幸徳秋水以下三十余名の人々が検挙され、ファーブルの『昆虫の社会』という本まで社会という字がついていると云って発禁され・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
・・・ 工場委員会、市、町、村、地区のソヴェト役員として女の生産、政治における大衆的進展は実にすばらしいテンポで増大した。が、この名誉ある「十月」は、世界のプロレタリア文学の婦人作家として誰々を送り出しているだろうか? ロシア文学は十九世・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・宮城前広場から、ここを通って上野へ行くのは、城東地区の組合である。隊伍堂々とプラカードをかかげて、パラパラおちる雨をものともせず歌いながら行進してくる。その隊伍を一目見て、私は思わず囁き、涙を抑えかねた。ああ巡査がいないメーデー! と。もと・・・ 宮本百合子 「メーデーに歌う」
・・・出征軍人の見送り、出迎え、傷病兵慰問、官製婦人団体が組織する細々とした労働奉仕――例えば米の配給所の仕事を手伝うために、孔の明いた米袋を継ぐために集るとか、婦人会が地区別に工場へ手伝いに出るとか、陸軍病院へ洗い物、縫物などのために動員される・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫