・・・憲法は明記しています。“すべての人が良心の自由をもっているということを”〔一九四八年四月〕 宮本百合子 「世界は平和を欲す」
・・・「プロレタリア文学なるものは、一つの歴史的な呼び名であって、言葉の正当な意味でのプロレタリア文学ではなかったという説がここに確認されているのは銘記されてよい」と。 六五―六・六〇―一頁の記述が不足で不明確であったためにこういう読みとりか・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学の存在」
・・・これらの人々は、一歩ずつより合理的な生産の関係に入ろうとし、憲法が明記している基本的人権を実現させようと努力している。経済的な要求の必然は、今日生きて働いているすべての人にわかっている。けれども、人間は食だけで生きているものだろうか。或は投・・・ 宮本百合子 「文化生産者としての自覚」
・・・、軍国主義日本が示した国威発揚的示威に正しい批判をもつこんにちの日本青年は、世界平和のためにこそ、平和日本のためにこそ、世界の民主的青年とともに競技するものであるという態度を明確にする以外にないことを銘記してほしい。〔一九四九年八月〕・・・ 宮本百合子 「ボン・ボヤージ!」
・・・支配権力が自身の権力の擁護のためにつくった傾きがつよいから、人民の諸問題よりも大権を絶対のものとして明記してあることに注意が集注されている。人民の諸権利についての具体的条項は、漠然としてしか扱われていない。ましてや、この特異な日本憲法におい・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・しかしそれよりも深く人心に銘記せられているのは、太郎が東京で最も美しい芸者だと云う事であった。尾崎紅葉君が頬杖を衝いた写真を写した時、あれは太郎の真似をしたのだと、みんなが云ったほど、太郎の写真は世間に広まっていたのである。その紅葉君で思い・・・ 森鴎外 「百物語」
出典:青空文庫