クリティカルイレブンミニッツ【critical eleven minutes】
《クリティカルは危機的の意》航空機の離陸後3分と着陸前8分の、合計11分間。雪や突風など天候の影響、鳥の衝突、操縦がマニュアルに切り替わることによるヒューマンエラーなど、危険な要素が増加し、事故が起こりやすくなる時間帯。魔の11分。→ステライルコックピット
クリティカルポイント【critical point】
1 臨界点。臨界温度下で気体が液化する場合の圧力と体積を示す点。 2 (比喩的に)物事が限界に達する段階・時点。
クリティカルパス【critical path】
1 プロジェクトの全工程を最短時間で完了するために重要な作業経路。製造業の業務を効率化・標準化し、作業工程を分析・管理する手法として、1950年代に米国で開発された。最長経路。臨界経路。 [補説]製品Pを完成させるためにS1・S2・S3という三つの工程が必要であるとする。工程S1・S2・S3はプロジェクトの開始から終了までの間に並行して進めることができる独立した工程で、相互に依存しない。S1では三つの作業a・c・fをこの順番で行う必要があり、2か月を要する。S2では作業b・dをこの順番で行う必要があり、1か月を要する。S3では作業eを行い、1.5か月を要するとする。三つの工程が順調に進めば2か月で製品を完成できるが、工程S1の作業a・c・fのどれか一つでも遅れると、プロジェクト全体の製造期間に遅延が生じる。一方、工程S2には1か月、S3には0.5か月の余裕がある。S1は、製品Pを最短時間で完成させるために遅れることのできない重要な工程であり、こうした一連の作業の経路(作業a→c→f)をクリティカルパスという。これは、製品を完成させる複数の工程のうち最も期間の長い作業経路なので、最長経路ともいう。 2 医療の現場で、病気の治療や検査の工程をまとめた計画表。1の工程管理手法を医療に応用したもので、1980年代に米国で開発され普及した。診療計画表。クリニカルパス。
クリティカルしょうめい【クリティカル照明】
顕微鏡などの光学系において、光源の像を試料面に結像させるように照明をあてる方法。単純な光学系で最大輝度を得られるが、視野に明るさのむらが生じ、試料に光源の熱の影響を与えてしまうという欠点がある。臨界照明。アッベ照明。→ケーラー照明
クリティカルシンキング【critical thinking】
物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること。批判的思考法。
クリティカルマス【critical mass】
《「ある状態になるのに十分な数量」の意》 1 核燃料の臨界質量のこと。 2 新しい商品やサービスが普及する過程で、その値を超えると急速に普及が進むとされる普及率。イノベーター理論で、イノベーターとアーリーアダプターに行き渡った16パーセントが目安。 3 望んだ結果や効果を得るため、最低限必要な量。とくに広告において、消費者に認知されるために必要な出広量。 4 少数派だったグループが大きくなり、その集団の中で存在を無視できない人数になる分岐点。 5 自転車利用の促進をめざす市民運動の一。都市部を集団で走行するもので、1992年に米国サンフランシスコで始まった。
クリティカルうんよう【クリティカル運用】
ロケットで打ち上げられた人工衛星の初期動作を確認すること。軌道投入の成否、正常な姿勢制御、太陽電池パドルの展開など、一連の確認を行う。ふつう、この期間中は常時、追跡管制が行われ、次に観測機器の動作確認をする初期機能確認運用に移行する。