・・・あたかもエジプトより遁れ出でしイスラエルの民が一部の失敗のゆえをもってモーセを責めたと同然でありました。しかし神はモーセの祈願を聴きたまいしがごとくにダルガスの心の叫びをも聴きたまいました。黙示は今度は彼に臨まずして彼の子に臨みました、彼の・・・ 内村鑑三 「デンマルク国の話」
・・・ 男爵加藤が、いつもどなる、なんと言うてどなる「モー一本」と言うてどなる。 彫刻家の中倉の翁が、なんと言うて、その太い指を出す、「一本」 ことごとく飲み仲間だ。ことごとく結構! 今夜も「加と男」がノッソリ御出張になりました。・・・ 国木田独歩 「号外」
・・・また紋付きの羽織で、書机に向かって鉢巻きをしている絵の上に「アーウルサイ、モー落第してもかまん、遊ぶ遊ぶ」とかいたものもある。 亮が後年までほとんど唯一の親友として許し合っていたM氏との交遊の跡も同じ帳面の絵からわかる。 中学時代か・・・ 寺田寅彦 「亮の追憶」
・・・ 外壁に沿った裏通りに古本屋が露店を出し、空屋に店を出して居るところにモーランの夜開く、武郎の或女、ゾラの小説がさらしてあった。 ○壁の厚さの感じ。 五日 ひどいモローズ プーシュキン・ブルールの樹木が皆真白・・・ 宮本百合子 「一九二七年八月より」
出典:青空文庫