・・・ 第四信の附録。 一九三五・一・五日夜 今夜はあまり風が烈しくガワガワバタバタと庇のトタンが鳴り、且つ手がつめたく新しい仕事にかかる気がないので、又一寸かきつづけます。 さっき、『クロムウェル伝』を入れるようにかきました・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ 第一信の附録二枚。 これを書いているのは次の日のつまり土曜日の夕方です。今日は曇ってなかなかひえます。うちの近所に美味しい餅屋があるので、林町の父のために、さっきお餅を注文したところ。庭が五坪ばかりあって、椿の蕾がふくらんで、・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ この手紙はいろいろ盛り合わせになりました。 お体の様子は又くわしくお知らせ下さい。 附録、 千葉県の保田に一ヵ年契約で月六円の家があり、いねちゃんの子供らのために共同でかりました。学校の休のうちに子供らは出かけます。私は毎日大・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・私は二階でこれを書いているのですが、きょうは珍しいことが二つあったのでこの付録を足すことになりました。太郎が生れてはじめて動物園にゆきました。そしてあざらしが大層気に入って、かわゆがったそうです。熊は遠いところから見るのだし、お猿はチョコマ・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・の翻訳を別冊附録としているのは、誰しも一応の注目をひかれることである。『改造』の附録の方の翻訳署名責任者として荒畑寒村氏が、最後に「訳者の言葉」を附し、この四六判二百九十余頁に亙るトロツキーの「絢爛たる文彩、迫撃砲の如き論調、山積せる材料、・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・ 今年になって、沢山の婦人雑誌が特別附録として、「迷信」「占ない」などの記事を盛んにもりはじめた現象と、この「抒情歌」との間には、切っても切れない血のつながりがある。 ロシアの一九〇七年反動時代に、インテリゲンチアの間にどんな盛んな・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・内容は、武田信玄の家法、信玄一代記、家臣の言行録、山本勘助伝など雑多であるが、書名から連想せられやすい軍法のことは付録として取り扱われている程度で、大体は道徳訓である。この書がもしその標榜する通りに成立したものであるならば、『多胡辰敬家訓』・・・ 和辻哲郎 「埋もれた日本」
出典:青空文庫