・・・ソヴェト全同盟内の子供が国庫負担で四ヵ年の教育を受けることになるのだ。 革命前、ロシアの民衆の大半が文盲であったころプロレタリアートは彼等の鎖と汗とのほかに、どんな文学をもっていただろう。火酒と教会と悲しい民謡があっただけだ。革命によっ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・普通は貴族か地主、軍人、技術家、大きな実業家の息子に限られていたが、今はプロレタリアート、働く者への教育は全部国庫負担にするということを理想でやっている。だから小学校は勿論専門学校も月謝を払わないで、職業組合が補助を与えて勉強させる。だから・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・それも、今度五ヵ年計画によって、すっかり国庫負担で全ソヴェト学齢児童就学ということになった。 ミーチャはまだ小さい。こないだ幼稚園で先生のリーダ・ボルトニコが大きくなったら何になると訊いた時、すぐ大きな声で、 ――僕、飛行機をこしら・・・ 宮本百合子 「楽しいソヴェトの子供」
・・・ 伊豆地方の大震災 惨たる各地の被害 震源地は丹那盆地 死者二百三十二名 伊豆震災救済策 震災地方の納税減免 国庫負担法で業務教育費交付 両腕の動かしかたに共通の一種独特の職業的癖をもっている日本の列車ボーイ・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・ 国庫予算の中でも終戦処理費があまり厖大であるためにわれわれ人民は各種各様の課税にくるしんで来ている。その上に、昨今は取引高税その他日常生活に直接ひびく課税目録がふえた。脱税は重い刑でとりしまるとおびやかされている。政府は、日本の目・・・ 宮本百合子 「便乗の図絵」
・・・同一労働に対して男女同額の賃銀、産前産後四ヵ月の月給つき休暇、無料産院と、工場に托児所。国庫全額負担による小学校教育等が実現されたのである。十八歳になれば男も女も選挙権を持つようになった。 レーニンが革命後間もなくモスクワの婦人労働者会・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
出典:青空文庫