・・・ 最近、五ヵ年計画の文化事業の一つとして劇場組織の大変革が声明された。СССРの全劇場を人民文化委員会の芸術部、職業組合、集団農場、中央部の完全な共同管理の下におくこと。劇場中心を、生産労働区域に移動さすこと。 これは、ソヴェトにお・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・ 人間が変革されなければならないということは、人間を変革し得る社会をもたなければならないということを常識とするまでに、一人一人の心の中で半封建的であった日本の社会感覚が変革されなければならないということである。この生きた厳粛な相互関係を・・・ 宮本百合子 「自我の足かせ」
・・・ ルソウは、その文筆的労作の中で、人間を自然の一部としてみ、神話を自然からぬぎすてさせた先達の一人であったが、彼の時代においては、自然を変革してゆこうとする人間の積極的な科学的な社会性の面から自然にとりあげられ得なかった。神学的、宮廷的・・・ 宮本百合子 「自然描写における社会性について」
・・・であるとし、「フランスの行動的ヒュマニズムの変革運動は芸術にあっての自由と、その自由なる芸術的表現の主張によって最近のソヴェト文学によき示唆を齎した。」小松清氏はアンドレ・ジイドのメッセージの一節「今日、ソヴェトは文学なり芸術なりの領域にお・・・ 宮本百合子 「新年号の『文学評論』その他」
・・・同時に、一人の労働者が階級社会の中で民主的労働者として成長してゆく人間変革の過程が、どんなに複雑なものであり、一定の時間を必要とするものであるかという証拠である。こんにち、吉田が語るようなギャップが感じられるのは、経験された闘争の過程そのも・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
ツワイクの「三人の巨匠」p.150○ワイルドがその中で鉱滓となってしまった熱の中でドストイェフスキーは輝く硬度宝石に形づくられた。○災厄の変化者、あらゆる屈辱の価値の変革者としてのドストイェフスキー。○彼は自己・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
・・・そもそもの第一歩から小説を書くということは同志小林にあっては階級社会変革の翹望をひそめた仕事であった。「一九二八年三月十五日」が書かれるにおよんで、彼は人道主義者からマルクス主義者として立ち現れた。この時分、同志小林はすでに階級闘争の実践に・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・歴史はいつもすぎたこととして感じとられ、今日という今の刻々が歴史そのものであり、しかも今の刻々には、過去のどの時代ともちがった条件で、人間の主動的な善意、熱意による変革を加えることのできるおどろくべき可能がひらかれているという事実が、割合実・・・ 宮本百合子 「なぜ、それはそうであったか」
・・・ このような文学の変革は、きょうの日本の昼夜をとおして、あの現象、この現象のうちに見えつつ、かくれつつ、既にあらわれている。プロレタリア文学運動があったこと、民主主義に立つ文学運動があること、それだけを平面的に文学陣営別にわけてその間で・・・ 宮本百合子 「人間性・政治・文学(1)」
・・・三 現戦争がこのように大きい変革を世界史の上にもたらすとすれば、戦後の芸術はどうなるであろうか。 第一に考えられるのは、一般民衆が勢力を得るとともに、在来の貴族的芸術を虐待するだろうという事である。露国の農民や労働者がレ・・・ 和辻哲郎 「世界の変革と芸術」
出典:青空文庫