・・・l, things which smile at you, And taste sweet. Life is good, by the Lord.” そして村に流行した疫病で、妻には死なれ、愛する孫娘は瀕死に陥っても尚彼は、その熾な目覚・・・ 宮本百合子 「最近悦ばれているものから」
・・・この祖父が僅か三つばかりの孫娘を見て、この子はよくなるか、わるくなるか、どっちかだ、と云うようなことを云った言葉を、母がまた私が自分の気に入らない時に限って持ち出し、さすがにおじいさまはちがっていた、などと云い云いするそれも、祖父への距離を・・・ 宮本百合子 「繻珍のズボン」
・・・その侯爵令嬢が、ほかならぬ故東郷元帥の孫娘であったことは、世間の視聴をそばだてしめた。 良子嬢が、浅草のカフェー・ジェーエルで、味噌汁をかけた飯を立ち食いしつつも朗らかに附近のあんちゃん連にサービスし人気の焦点にあったという新聞記事をよ・・・ 宮本百合子 「花のたより」
・・・ せきは、長火鉢の縁で煙管をはたき、大人の女でもみるような風に六つの孫娘をじろりと見た。「おかしな子ったらないのさ、異人さん異人さんって大騒ぎさ。もうちっと大きかったらとんだ苦労だ」「ふふふ、まさか!――珍しいんだわねえ、うめ坊・・・ 宮本百合子 「街」
母かたの祖母も父かたの祖母も長命な人たちであった。いずれも九十歳近くまで存生であったから、総領の孫娘である私は二人のおばあさんから、よく様々の昔話をきいた。母方の祖父も父方の祖父も、私が三つぐらいのとき既に没して、いずれも・・・ 宮本百合子 「明治のランプ」
出典:青空文庫