ねんきんけんこうほけんふくししせつせいりきこう【年金健康保険福祉施設整理機構】
年金福祉施設の整理・合理化を行う独立行政法人。時限的な組織として平成17年(2005)に設立。厚生年金会館・国民年金健康保養センター・社会保険センターなどを譲渡・売却し、剰余金を国庫に納付する。平成26年(2014)4月、地域医療機能推進機構に改組された。RFO(Readjustment of Facilities for insured persons and beneficiaries Organization)。
ねんきんじこうとくれいほう【年金時効特例法】
《「厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律」の略称》社会保険庁による年金記録の不備が原因で支払われなかった年金について、消滅時効の適用外とする法律。平成19年(2007)7月施行。年金記録問題の発覚当初は、記録訂正により支給額が増えることが判明した場合でも、5年以上前の支給分については時効を理由に支払いが行われなかったが、同法により、本人または遺族に支払われることになった。
ねんきんたんぽゆうし【年金担保融資】
厚生年金や国民年金など受給者が受け取る年金を担保として資金を融通すること。高齢者の生活に必要な年金収入が返済に充当され、生活が困窮するおそれがあるため、法律で原則禁止とされている。貸金業者による違法な年金担保融資が横行したことから、平成16年(2004)に貸金業規制法(現貸金業法)が改正され、公的給付を担保とする違法な融資に対する規制・罰則が強化された。例外として設けられていた年金担保貸付制度は、令和4年(2022)3月末に受付を終了。
ねんきんつみたてきんかんりうんようどくりつぎょうせいほうじん【年金積立金管理運用独立行政法人】
厚生年金・国民年金の管理運用業務を行う独立行政法人。厚生労働省の所管。前身の年金資金運用基金を改組し、平成18年(2006)に設立。年金積立金の運用方針の策定などを行い、実際の運用業務は信託銀行や投資顧問会社に委託する。資金は国内外の債券・株式に配分し、ポートフォリオ運用を行う。GPIF(Government Pension Investment Fund)。 [補説]平成20年度(2008)に過去最大となる9兆6670億円の運用損を計上。前身の年金資金運用基金が運営していた保養施設グリーンピアは、経営不振により多額の損失を出し、平成17年(2005)までに全国13施設がすべて廃止・譲渡されている。
ねんきんていきびん【ねんきん定期便/年金定期便】
公的年金の加入記録を本人が確認するために、現役世代(保険料を負担する世代)の加入者全員に送付される通知書。加入者の誕生月に毎年送付される。平成21年(2009)4月に社会保険庁が送付を開始。現在は日本年金機構が送付。→ねんきん特別便 [補説]初回および35歳・45歳・58歳時の送付分には詳細な加入履歴と年金見込額が記載され、それ以外の送付分は直近1年分の加入履歴や年金見込額など概略的な記載となる。記録に漏れや誤りがある可能性がある場合はオレンジ色の封筒、それ以外は空色の封筒で送付される。
ねんきんとくべつびん【ねんきん特別便/年金特別便】
公的年金加入記録の確認を本人に求めるために、社会保険庁がすべての加入者と受給者に送付した通知書。社会保険庁のずさんな管理により、約5000万件にのぼる年金記録の該当者が特定できない事態が発生したため、平成19年(2007)12月から平成20年(2008)10月にかけて約1億800万人に発送された。年金記録の漏れや誤記の可能性が高い場合は青色の封筒で、低い場合には緑色の封筒で送付された。→宙に浮いた年金 →ねんきん定期便 [補説]年金の種類や加入期間の記載はあるが、年金額の基礎となる標準報酬月額の記載がなく、年金情報の重要な部分をすべて確認できるわけではない。
ねんきんほけん【年金保険】
1 保険金を年金として、終身または一定期間、毎年一定額の支払いを約する個人年金の一種。被保険者の生死にかかわらず一定期間支払われる確定年金、ある時期から死亡するまで支払われる終身年金、事前に定めた期間で生存している限り支払われる有期年金などがある。また、保険料を運用することで受け取り額が変わる変額年金保険と、契約時に受け取り額を決めておく定額年金保険とがある。個人年金保険。→資金保険 2 《「年金保険制度」の略》国民年金・厚生年金・共済年金などの公的年金制度のこと。
ねんきんききん【年金基金】
国民年金や厚生年金などの公的年金に上乗せして給付を行うための年金制度、または、その運営法人、あるいは給付される年金のこと。国民年金基金・厚生年金基金・企業年金基金(基金型企業年金)などがある。
ねんきんきろくもんだい【年金記録問題】
旧社会保険庁によって、公的年金の加入・納付記録が長年にわたってずさんに管理されていた問題。基礎年金番号の導入に伴い、紙台帳などで管理されていた過去の国民年金・厚生年金・共済年金の年金加入記録をオンライン化する作業が行われた際、平成19年(2007)に、基礎年金番号に統合されていない年金記録が約5100万件あることが判明。その後、他にもオンライン化されていない年金記録が約1430万件あることが報告された。これらの年金記録は加入者が特定できないことから「宙に浮いた年金」と呼ばれる。一方、加入者の手元には保険料を納付した領収書等が残っているにもかかわらず、社会保険庁には記録がない事例があることも発覚(「消えた年金」)。さらに、厚生年金保険料の徴収率を高く見せかけたい社会保険事務所と保険料負担を減らしたい事業主の思惑が一致し、社会保険事務所の職員が、標準報酬月額を実際よりも大幅に引き下げたり、会社が倒産したことにして厚生年金から偽装脱退させるなどの手口で年金記録を改竄 (かいざん) していたことも判明した(「消された年金」)。
ねんきんきろくかいふくいいんかい【年金記録回復委員会】
年金記録問題の解決に向けて、厚生労働省に設置された有識者委員会。平成21年(2009)10月、民主党政権下で発足し、平成25年(2013)1月、自民党への政権交代に伴い廃止された。年金記録の回復や、正しい記録に基づく年金の支給を可能にするための方策等について、国民の視点から検討し、厚生労働大臣や日本年金機構に助言を行った。平成25年(2013)3月、後継組織として、社会保障審議会に「年金記録問題に関する特別委員会」が設置された。