・・・ 去年四月、文化団体に敵の暴圧が下された時から、同志小林多喜二は非合法生活に入った。それから僅か十一ヵ月目に、彼の輝かしい生涯は英雄的殉難によって閉されたのだが、最近における同志小林の理論家、指導者としての成長は実に目ざましいものが・・・ 宮本百合子 「同志小林多喜二の業績」
・・・ 去年四月の暴圧以来、文化・文学運動の切迫した情勢は同志小林に新たな指導的理論家としての任務を課した。 同志小林が不屈な精神によって新たな任務を遂行し、しかも最近どんなに刮目すべきテンポで理論家としても発展しつつあったかは「右翼的偏・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・ただ、抑圧者が自分たちの利益のために暴圧し、それを大衆の目前に合理化さそうとするだけです。わたしら働く婦人は、階級的前衛に対する支配階級の死刑・重刑絶対反対です。絶対反対の叫びを職場に、サークルにひろくひろく響かせ、前衛即時釈放の要求をつき・・・ 宮本百合子 「同志たちは無罪なのです」
・・・ わたしら働く婦人は日本プロレタリア文化連盟に加えるブルジョア・地主の政府の暴圧に絶対反対です! プロレタリア・農民を不幸にするしか能のないファシズムの文化に絶対反対です!〔一九三二年四月〕・・・ 宮本百合子 「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」
・・・軍部の暴圧をしのんで艱難な日々をしのいでいた何の抵抗力ももたないおとなしい人民の男女、老人子供たちが、日本列島を戦略地点として確保することをいそいだ原爆によって、屍を重ねたのだった。 残酷、破壊という字を知っていないもののようにくりかえ・・・ 宮本百合子 「「人間関係方面の成果」」
・・・一層我々に納得されにくい独裁専制政治と宗教についての暴圧的政治論等々、読者は決してすらりとこの一篇の小説を読み終せることは許されない。種々の抵抗にぶつかり、小道へまで引きまわされ、脂のきつい文章の放散する匂いに揉まれ、而もそれらのごたごたし・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
・・・失業、農村の飢餓に苦しむ大衆の革命力の深刻な高揚とそれに対する支配階級の恐怖は、プロレタリア文化団体に対してのうちつづく暴圧、白テロにまざまざと反映している。世界の情勢は革命的作家に実に多くの任務を負わせ、実践を必要としている。列強ブルジョ・・・ 宮本百合子 「文学に関する感想」
みなさん、しばらくでした。 私は去る四月七日、ブルジョア、地主の官憲が日本プロレタリア文化連盟に加えた狂気のような暴圧によって捕えられ、六月二十五日、八十日間の検束の後、再び自由を奪いかえして出て来ました。幸い、体も大・・・ 宮本百合子 「ますます確りやりましょう」
・・・極端な暴圧とたたかい自身の恐怖を克服しながら――。 プロレタリア文学運動で、はじめて日本の作家の一部がこれまでの小説をかくこつや文学のかん以外の客観的なところに自身の創作理論をもつことができるようになった。作家が評論風な執筆をする能力を・・・ 宮本百合子 「両輪」
・・・ポーランドの暴圧に抗する大衆の写真もある。 革命博物館は今こそ、主としてロシアの革命史を、材料としているが、今にここに世界プロレタリアートの解放の輝かしい歴史が、飾られる日が遠くないのだ。〔一九三一年十一月〕・・・ 宮本百合子 「ロシアの過去を物語る革命博物館を観る」
出典:青空文庫