・・・ある夜、女の人魚は、子供を産み落すために冷たい暗い波の間を泳いで、陸の方に向って近づいて来ました。二 海岸に小さな町がありました。町にはいろいろな店がありましたが、お宮のある山の下に小さな蝋燭を商っている店がありました。・・・ 小川未明 「赤い蝋燭と人魚」
・・・ある夜、女の人魚は、子供を産み落とすために、冷たい、暗い波の間を泳いで、陸の方に向かって近づいてきました。二 海岸に、小さな町がありました。町には、いろいろな店がありましたが、お宮のある山の下に、貧しげなろうそくをあきなって・・・ 小川未明 「赤いろうそくと人魚」
・・・そういう勤労婦人が仕事台の下へぶっ倒れて赤ん坊を生み落すのは昔のロシアでは珍らしい出来事ではなかったのです。 赤ん坊を生んだって、ブルジョアの工場は休みをくれない。子をなすのはお前の勝手だ。工場の知ったことか。働かすためにお前を雇ってい・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
出典:青空文庫