・・・ スーザンが「アメリカ行進」という題でそれらの彫刻をひとまとめとして開いた展覧会は、多くの未完成な部分をもちながらもきわめて独自な命をもつものとして評価された。美術界の気むずかし屋、美術家連が癪にさわりながらその一言一言を気にかけずにい・・・ 宮本百合子 「『この心の誇り』」
・・・ところが、巴里の凱旋通をナチの軍隊が足並高く行進することとなって、世界は現世紀の一つの驚きの感情を経験した。どうして、フランスは敗れたのだろうか。この問いが、日本でもあらゆる人々の心に湧いたにちがいない。忽ち新聞に、フランスは文化の爛熟と頽・・・ 宮本百合子 「今日の生活と文化の問題」
・・・件が無罪と決定したこと並に、明春建国祭を期して一大国民運動をおこして特に国体明徴、日本精神の昂揚、個人主義、自由主義、功利主義、唯物主義の打破等精神総動員の趣旨の徹底をはかり学生、生徒、児童等には愛国行進その他団体運動を行わせ、これらの集会・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・ だから今夜、クラブ音楽部員は活溌な行進曲を奏し、 一、二! 一、二! 何々区ピオニェール分隊がどっしり重い金モールの分隊旗を先頭にクフミンストル・クラブの広間を行進して来た。 右、左! 右、左、止れ! 分列。中・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・って赤いプラカート担いで行進されちゃ、参るのさ、ソヴェトのピオニェールや自覚した婦人労働者はしっかりしてるからな。病院へ入れて中毒を療して貰っても、また悪い癖に戻るようなルンペンは、生産に携る勤労者として価値ないと云っていつまでもくっついて・・・ 宮本百合子 「正月とソヴェト勤労婦人」
・・・ 六列横隊で、自分達の工場音楽隊を先頭にして、行進曲と共にやって来る。愉快そうで、整然としていて、胸も躍る光景だ。「五ヵ年計画ヲ四ヵ年デ!」「ブルジョア反ソヴェト陰謀ヲブッ潰セ!」 次から次へ赤いプラカードが来る。あいまには・・・ 宮本百合子 「勝利したプロレタリアのメーデー」
三度めのメーデーが来る。ことしのメーデーはどんなメーデーになるだろう。お天気のよい日であることをのぞみたのしいメーデーの歌と行進とを期待する。去年は職場職場でなかなか趣向のこったプラカードや飾りものをもち出した。ブラス・バ・・・ 宮本百合子 「正義の花の環」
・・・例えばメーデーの時、革命記念祭のデモンストレーションの時には、各工場は自分の工場の音楽隊を先に立てて行進して来る。 専門的な音楽の発達のためには、ソヴェトは音楽学校の非常に程度の高いものをもっている。そこでシーズンが来ると、外国から来る・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・たをするのが正しいかと云えば、それは、日本の働く婦人大衆の間から自然にうまれた声ではなくて、日本の労働者階級のすべての問題、人民の真の民主化にかかわりをもつあらゆる問題を、なるたけ国際的に前進している行進の例からひきはなして、日本として、独・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
・・・今年のメーデーによろこんで行進した人々の数は、世界第二位であった。民主憲法というならば、戦争の終ったこと、野蛮な軍事権力の崩れたことをよろこんで、雨の日のなかを、ああやって行進した日本人の九割五分の人々の嬉しい日、五月一日こそ、愉快な一致と・・・ 宮本百合子 「メーデーぎらい」
出典:青空文庫