・・・労働者農民の文学好きな人たちは、どのようにして職場からの通信員となり、大衆場面で文学的成長をとげてゆくかという過程にふれている。サガレンでは経験されなかったらしいが、一九三〇年ごろからソヴェトでは自立劇団と少数民族劇団が年に一度モスクワで演・・・ 宮本百合子 「しかし昔にはかえらない」
・・・勤労人民の政治的文化的発言の一つのかたちとして、ファシズムとたたかう日常の方法として、職場、学校サークル内に通信員活動を提案したことはただふん囲気だけあるおしゃべりだったろうか。わたしの講演をきいて入党したといっているひとが世田ヶ谷のある細・・・ 宮本百合子 「事実にたって」
・・・におけるこの問題が起った社会的根拠は、第一次五ヵ年計画の成果によってプロレタリア文学運動の分野にあっても、他の生産部門においてと同様、多数の新しい労働者、集団農場員幹部をもつようになったこと、労農文学通信員からおびただしい新進作家が輩出して・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・ 経営・農村で働きつつ、闘争しつつプロレタリア文学を擁護し、それを制作してゆく労農文学通信員などこそ、同志小林が前衛作家として築いた到達点を推し進めるべき歴史的必然性の上にたっている。我々は、鋭く強靭に、粘りづよく自身の日常闘争を押しす・・・ 宮本百合子 「小説の読みどころ」
・・・労働通信員。「亭主は女房をなぐる権利をもっているのでしょうか?」 やっぱりこのスモーリヌイの婦人部の仕事で、農村の女を目標にいろんな講話会が開かれた。 これはそのとき送られた質問の一つだ。 スモーリヌイでは地階に大食・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・「前線通信員」の歌の文句のとおり、活気をもったソヴェト作家のほとんどすべてが「東に西に、南に北に」祖国防衛のために協力した。戦争が終ったとき、これらの作家たちが、疲労を休めながら、戦争中の文学的収穫の整頓・出版に忙しかったことは想像される。・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・ 労農通信員のマルーシャが、みんなにからかわれながら、額におちてくる金髪をふりあげふりあげ上気した顔をして小形写真機を覗いている。マルーシャは労働者新聞に自分達工場の婦人デーの模様を書き、何とかして、この罪のない、おどけたアガーシャ小母・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の三月八日」
・・・自主的なこういう文化活動がどんな価値高いものであるかということは革命後十四年目の今日、ソヴェト文壇の新進作家達が殆ど皆、勤労大衆の中から出た労農通信員、それでなければコムソモール出の人々であるのを見ても判る。こういう人達の作品は題材に於いて・・・ 宮本百合子 「ソヴェト「劇場労働青年」」
・・・ バックによって描かれているこの中国の民衆生活の内奥にある積極的な力の側に立って、アグネス・スメドレーが通信員として活動している事実は何と深い、心持をうごかされることであろう。バックは、今日まで動いて来た中国とともに自身の生活を進め、そ・・・ 宮本百合子 「中国に於ける二人のアメリカ婦人」
・・・「そして『共産青年同盟プラウダ』の通信員です」 私はきいた。「坑内で働いているんですか?」 ソヴェト同盟では十八歳以下の青年労働者は一日六時間以下、十六歳以下は四時間以下しか労働を許さない。それで八時間労働に同じだけの賃銀をとり・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
出典:青空文庫