・・・我々の列車が、モスクワを出て三日目だのに既に十八時間遅れながら、社会主義連邦中枢よりのニュースを、シベリアのところどころに撒布しつつ進行しているわけである。 この『コンムーナ』は二十七日の分である。深い興味で隅から隅まで読んだ。丁度今こ・・・ 宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
・・・第一条 ロシア社会主義連邦ソヴェト共和国領域内ニオケル土地、地中埋蔵物、水域、森林オヨビ生ケル自然力ニ対スル私有権ハ永久ニ之ヲ廃止ス。第二条 土地ハ一切ノ賠償ナクシテ今日限リ全労働大衆ノ使用ニ帰スルモノトス。 ツァー、貴族、教会・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ 黒くひかってそこへ街の灯かげをうつす大都会、地球の六分の一を占める社会主義連邦の首府モスクワの春の泥水をしばいて電車はひどい勢で走っている。今夜は特別な日なんだ。三月八日は世界無産婦人デーである。各区の勤労者クラブでいろんな催しものが・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・、住居・健康のことまで具体的な考慮をはらい得る国家が現実に存在していること、そして、そこでは山本有三が松本前警保局長と対談したとは全く異った内容性質で、作家が国家機構へ参加していることなどを、第一回全連邦ソヴェト作家大会の記事がジャーナリズ・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・は、国内のプロレタリア文学戦線強化のために、ソヴェト同盟内の各連邦におけるプロレタリア文学の運動の情勢に熱心な注意を向けはじめた。一九三一年度に、各連邦のプロレタリア文学を網羅する文学オリムピアーダの計画が発表された。 全ソヴェト作家協・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・第一回全連邦作家大会の報告が、部分部分のやむを得ぬ省略を伴いながらも一冊の本となって既に現われている現在、総ての人の目に、このことは紛れのない実際の到達点として映っているのである。 大きい過去の作家らしく、大きい矛盾に充ちたオノレ・ド・・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
・・・一方、カール・ラデックがこの八月第一回全連邦ソヴェト作家大会で行った報告演説が、「プロレタリア芸術の課題」という見出しで翻訳されて『改造』にのっている。 二つの論文は、互にもつれ合い、響きあってその底にだんだんと高まる光った歴史的現実の・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
・・・ラジオ年鑑によると、ソヴェト連邦は約六十五局、聴取者約一千万、中華民国は全国百二十局内外。施設者はアメリカと同様に千差万別であり自由経営になっている。普及率の面から見て最低中華民国、スペイン、イタリー、ポーランド、日本という順である。このこ・・・ 宮本百合子 「「ラジオ黄金時代」の底潮」
・・・ソヴェト連邦は新しい社会の機構によって、婦人の性を妻、母として保護しつつ、社会的にますます人間性の高められた複合単位として経済的、政治的、文化的に男女一対の内容を育てつつある事実は、世界の進歩的な男女に、男と女との恋愛や結婚の幸福の土台とな・・・ 宮本百合子 「若き世代への恋愛論」
出典:青空文庫