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・・・は当時の蒼白い、廃頽的な、幻をくって溜息をついているようなロシアのブルジョア文壇に嵐の前ぶれの太い稲妻の光をうち込んだ。バリモント、メレジェコフスキー、ソログープ、チェホフもトルストイも、ロシアにどのような力ですでに労働階級が発育しつつある・・・
宮本百合子
「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
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・・・詩人バリモントやブリューソフが蒼白い虚無だの人生の目的の喪失だのをうたった時は、もう社会の他の一部には彼等詩人たちが何故そのように貧血した虚無しか感じ得なくなっているかという社会的根拠を闡明することの出来る叡智・科学的洞察力が高まって来てい・・・
宮本百合子
「私たちの社会生物学」