出典:青空文庫
・・・ 挨拶を! 世界革命万歳」 国立百貨店の建物に張りまわされたプラカートの字が夜目にもハッキリ見える。 懐しい日本語で、万国の労働者結合せよと書いた幟も飾ってある。 レーニン廟の赤いイルミネーションは、メーデー・・・ 宮本百合子 「勝利したプロレタリアのメーデー」
・・・壁にクルプスカヤとレーニンの肖像画がはってある。「わたし共のところはまだ女の学生がすくないんです。だから今のところ、あっちや、こっちに、こうして室をもっているのです」 ソヴェト同盟では、ピオニェールの野営、林間学校から、専門学校、大・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
レーニングラードへ 夜十一時。オクチャーブリスキー停車場のプラットフォームに、レーニングラード行の列車が横づけになっている。 麻袋。樺の木箱に繩でブリキやかんをくくりつけたもの。いろんな服装の群集・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・除村吉太郎氏の翻訳で、私たちはレーニングラードの二雑誌『星』と『レーニングラード』を中心とするジダーノフの報告をよむ機会をもった。同時に、新日本文学会から「現段階における中国文芸の方向」という、毛沢東が一九四二年五月延安で行った文芸座談会の・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・ 傍の小さい新聞屋台で、『レーニンの孫』というこの地方のピオニェール新聞を買い、ソヴェト同盟の広さというようなことを強く感じながらホテルの玄関を入り、右手の広間へ通った。瓦斯燈の水っぽい光が、ゴムのような滑らかな大きい葉の植木を照してい・・・ 宮本百合子 「石油の都バクーへ」
このたび、常任中央委員会によって発表された日和見主義との闘争に関する決議は、プロレタリア文学運動が今日到達したレーニン的立場に立っての分析の周密さ、きわめて率直な自己批判の態度などにおいて、非常にすぐれたものである。この決・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・赤いリボンで飾ったレーニンとクララ・ツェトキンの肖像画、『労働婦人』二年間の購読券。アガーシャ小母さんが踊る間、それは今ニーナが笑いながら大事に抱えて持ってやっている。 労農通信員のマルーシャが、みんなにからかわれながら、額におちてくる・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の三月八日」
・・・ クララ・ツェトキンの書いた「レーニンの想出」に、戦時共産主義時代に若い党員が恋愛の自由ということを感違いしていろいろの誤謬を起したことにレーニンが非常に心配して、今の若いものは恋愛というものは一つの生理的問題に過ぎないということを非常・・・ 宮本百合子 「ソヴェトに於ける「恋愛の自由」に就て」
・・・ 今日は『プラウダ』も『イズヴェスチア』も第一面に、ソヴェトの最も功労あるマルクシストの一人であり、レーニン研究所長をしている同志リャザーノフの光栄ある誕生第六十回記念日について書いている。われわれ、ソヴェトのプロレタリアート、生産と文・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・ あんまり大きくない講堂で、円柱が立ちならんでいる舞台の奥にひろい演壇がある。レーニンの立像がある。赤いプラカートがはられている。そこへ、革命十周年記念祭のお客で日本から来ていた米川正夫、秋田雨雀をはじめ、自分も並んで、順ぐりに短い話を・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」