出典:青空文庫
・・・――人間をよくする処にはならない、とクロポトキンが云った通りだとすると、ここで数年を暮した女性はどうなって世に送りかえされるのであろう。 男性の中には、自分の経験した獄中生活を記録した人が多くある。古から、古田氏まで沢山ある。種々なこと・・・ 宮本百合子 「是は現実的な感想」
・・・ロシアの歴史的なアナーキストであり、地質学者でもある公爵ピョートル・クロポトキンが一九〇一年に、ボストン市で「ロシア文学の理想と現実」という講演をやったことがあった。そのときクロポトキンは、ツルゲーネフの諸作品の重要なモティーヴが殆ど皆恋愛・・・ 宮本百合子 「ツルゲーネフの生きかた」
・・・ 三、ゲルツェンの自叙伝。クロポトキンの「革命家の思い出」。クルプスカヤ「レーニンの思い出」。ツワイク「マリ・アントワネット」。ストレチー「エリザベスとエセックス」など。〔一九四八年一月〕・・・ 宮本百合子 「でんきアンケート」
・・・と呼ぶようにしか教えられていなかった急進的な一団のロシア人の中には、クロポトキンがその「思い出」の中に、愛惜をもって美しく描いている有名なソフィア・ペロフスカヤのような秀抜な革命的な若い女もいた。一八八〇年代というときは、又ロシアに最初のマ・・・ 宮本百合子 「マリア・バシュキルツェフの日記」
・・・それからクロポトキンだが、あれは Smolensk 公爵の息子に生れて、小さい時は宮中で舎人を勤めていた。それからカザアキ騎兵の士官になってシベリアへ遣られて、五年間在勤していて、満州まで廻って見た。その頃種々な人に接触した結果、無政府主義・・・ 森鴎外 「食堂」