出典:青空文庫
・・・サッカレディケンズバイロン(「皮」?) ブルターニュ 木菟党をよむ。深く感動した。今日、ヨーロッパ地図の上で、人間の理性の地図の上で、ナチス侵入に総反撃を加えつつあるブルターニュのマーキの人・・・ 宮本百合子 「バルザックについてのノート」
・・・今後二世紀が過て、或はそれより少い年月でもよいかもしれないが、吾々が今十六世紀の野蛮性に驚くように、人が十九世紀の野蛮性に驚くであろう時には、人は十九世紀に於てシェークスピアを発見しないが、しかしバイロンやジョルジュ・サンドを発見するだろう・・・ 宮本百合子 「ベリンスキーの眼力」
・・・かの熱烈なる殉教者に見よ。バイロンは「シーヨンの囚人」に七人の雄大なる兄弟を画いた。物暗き牢獄に鉄鎖のとなりつつ十数年の長きを「道義」のために平然として忍ぶ。荘厳なる心霊の発現である。兄弟は一人と死に二人と斃る。愛する同胞の可憐なる瞳より「・・・ 和辻哲郎 「霊的本能主義」